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幕間

140文字で語りきれなかったあれこれ

娘役・実咲凜音に捧ぐ

実咲凜音さんを初めて目にしたのは宙組銀河英雄伝説』のDVDだった。
当時のわたしはテニミュに心も時間も全財産も捧げたテニミュオタだったので(今もか)知人が貸してくれる宝塚のDVDもNHNの録画放送も、テニミュが公演していない期間の暇つぶし程度にしか見ていなかった。
2014年11月にテニミュ2ndシーズンが幕を下ろし、全ての情熱を燃やし切っていた頃に出会ったのがこの銀英伝だった。
美しすぎるラインハルトの凰稀かなめさまは、当時もう退団なさっていて非常に残念だったことをはっきりと覚えているが、何よりこの美しい歌声のトップ娘役・実咲凜音さんが夏には『アイーダ』を演じるのだというではないか。しかも歌の多いお芝居だとか。
喜び勇んで自らチケットの発売期間を確認し、とにかく宝塚歌劇というものをちゃんと生で体験しておこうと、その頃公演していた月組『1789』を観に電車で1時間半かかる宝塚大劇場まで足を運んだ。
それがわたしの人生に『宝塚歌劇』という超巨大コンテンツが食い込んでくる起因だったように思う。

話はが少しずれてしまった。
『王家に捧ぐ歌』の公演中は見ているのが心配になるくらい痩せてしまったみりおん。
今までにないくらい感情の起伏が声に乗った歌と、知らなかったみりおんの低音の力強さと美しさ。この作品は娘役・実咲凜音にとってというより、一人の舞台人としてみりおんを大きくした作品なのではないかなぁと、いまでも時々思う。

その全てが『宙組エリザベート』に昇華されたんだって確信があるから、やっぱり宙組で『王家』を上演したのは大正解なんだよ。

退団公演は現代劇でパワフルな女社長の役、みりおんらしい明るさと元気な姿が素敵でした。
最後の日までどうか、娘役・実咲凜音の全力を見せて欲しい。
そしていつかまた、できれば帝国劇場でお会いしましょう。

ミュージカル『刀剣乱舞 三百年の子守唄』

ミュージカル

『刀剣乱舞 三百年の子守唄』

 

⚫︎4/2 13:00
梅田芸術劇場メインホール

刀ミュ3作目は『大河ドラマ』なんですって!
荒木宏文さんやら太田基裕さんやら、もはやこんな新進気鋭のコンテンツには出てくださらなそうなメンバーを揃えて来たりして、いったい刀ミュはどこへ向かうのか。
とにかく観て来ました!

徳川家康の一生に寄り添うという筋書きのもと、親も生き残るべき家臣も殺された家康を刀剣男士たちが育て、家臣を偽って見守っていく。
「また貴方に幸運を届けることができるんですね」とキラキラした笑顔で愛おしそうに、まだ赤ちゃんの家康を抱き上げる物吉くん(横田龍儀)が印象的だった。
普通、今までの刀剣男士たちって元の主との接触に複雑な心境を抱いていた筈なのに、物吉くんは家康との二度目の人生を喜んでいて違和感あったのだけど、よくよく考えたら親も家臣も殺されて独りになった赤ちゃんに「また貴方に幸運を届けることができる」って…なかなか狂ってないか?
爽やかサイコパスだなぁ。

 

刀剣乱舞ではにっかりさん(荒木宏文)が好きなので『子どもの生命や行動に興味を見出す』あの不器用な仕草はよかったなぁ。立ち姿やセリフのない時の立ち居振る舞いでさえ青江らしいんだから、荒やんさんが演じてくれて本当によかった。

 

あの…家康が息子の生き方を否定したり、息子のように育てた人間を手にかけなきゃいけないって事態になったり、辛い話の中でたびたび空気をぶっ壊してくる村正(太田基裕)の「脱ぎまショウか?」ってバカみたいなエロネタがこんなに癒しになるって誰が想像した?
わたしは思ってもみませんでした。
ただ、もっくんが空気感をガラッと変える、でも芝居全体の流れを絶対に壊さない雰囲気のある芝居をする人だってことは『スカピン』を観に行った時に確信したので、この人もまた、なるべくして刀ミュのキャストに選ばれた人なんだなって、これからの刀ミュに期待が持てたよ。
ずーっとイケメン若手俳優と2部のアイドルステージ、なにより原作人気に頼り切るつもりなのかなって思っていたから。

刀ミュが続いていく中で、たぶんターニングポイントになる作品だった。
トーリーもお芝居も今までの2作が合わなかったと思う人には是非もう一度、観て欲しい。
刀剣男士と歴史上の偉人が深く関わっていくことで、こんなに面白い歴史モノのお芝居になるんだってことを証明してくれた。
そんな作品だったように思う。

 

月組『グランドホテル』

月組『グランドホテル』

⚫︎1/9(月)15:00公演
1/12(木)15:00公演
宝塚大劇場

 

2017年宝塚初め!
珠城りょうさん月組トップスター就任おめでとうございます!

 

1928年ベルリンの高級ホテル『グランドホテル』に宿泊する人々が繰り広げる群像劇。
今回の主人公は借金まみれの青年男爵フェリックス(珠城りょう)。
ホテルの回転扉を抜けてこちら側に姿を現す姿、白の衣装がよく映える恵まれた体格、この姿を忘れたくないと願ってしまう存在感。
金に困った男爵が落ち目のバレリーナ・エリザベッタ(愛希れいか)のネックレスを盗みに彼女の部屋に忍び込むあたりの場面も良かった。世間の評価だとか年齢だとかあらゆるしがらみにがんじがらめになっているエリザベッタはどこか、わたしたち現代女性に通じるストレスを抱えている。でも男爵は少年ぽさや純真さをもってエリザベッタの本来的な明るさ、少女みたいな気取らない心を蘇らせていく。我々はちゃぴちゃんではないので若い恋人を諭すマダムにも少女のように可憐な恋人にもなれないけれどこの2人を祝福せずにはいられない。
(ところで演技の幅もぐっと広まって貫禄のついたちゃぴちゃんはホントに姉さん女房みたい(笑))
それだけに最後に男爵が殺されてしまうのが悲しいよね。
ホテルのフロントで男爵を待つエリザベッタの姿にいたたまれなかった。

 

運よく両方の役替わりで観られたのだけど、わかばフラムシェンとアリ・ラファエラが好きかな。
アリ・ラファエラ(暁千星)は体も大きくて男性的なのだけど『実直・純粋』にエリザベッタに付き従う友人というよりは従者のような人。華奢で可憐なエリザベッタへの憧憬がいつしか彼女の人生の全てになって、エリザベッタという人に人生の全てを預けたような献身がなんだかくすぐったくもある。
多分すごく根はエリザベッタよりもずっと可愛いんじゃないかな。
だから男爵が亡くなったことをエリザベッタに告げられずにいる必死の姿には胸を打たれた。

 

変わって朝美・ラファエラ(朝美絢)はエリザベッタに対する遠慮が一切ない。
これが同期だからこその距離感かとちょっとびっくりするくらい息ぴったりでした。
愛情を持って誠実に彼女に付き従う人だから最初は男爵のこともよく思っていなかったと思う。
仲良しの友達を取られちゃったというよりは、片思いの相手を横からかっ攫われたみたいな。
それだけにこの人はエリザベッタとなら心中できるだろうなって妙な確信を抱いてしまった。

 

わかばフラムシェン(早乙女わかば)か、くらげフラムシェン(海乃美月)か。
悩むんですよね。
2人とも可愛いんだから。
わかばがフレンチ・ギャルだとすればくらげはイングリッシュ・レディって印象がずーっとあるので今回はわかばちゃんの方が好みだったかな。
何回も組んでるからか美弥るりかさんとの掛け合いも息があってるんですよね。

 

余命幾許も無い会計士オットーを演じる美弥ちゃんだけど、グランドホテルで有り金叩いて人生を手に入れようとする腰の曲がった病人をここまで魅力的で色気のある人物に仕上げて来るのだからさすがです。
フラムシェンと歪ながらもダンスするシーンも、幸せを掴んで一緒にパリへ行くところも良かったけれど、やっぱり男爵に株の儲けを渡すところがたまらない。
男爵が財布を盗もうとしたことも、友人という関係が偽りから始まったことだということもオットーは全部わかってしまったと思う。それでも男爵を信じてお金を渡す理由が「友人だから」。
金のために汚いことをしようとする男爵だけれど彼の誠実な心とそれに触れた人々はそれを許してくれるし、彼を外道に堕ちる寸前で思いとどまらせてくれる。
素敵な話なのだけれど、彼はその自分の誠実さによって命を落としたとも言える。

物語の幕引きにエリザベッタと男爵が再び巡り会えて、宝塚という世界の救いに感謝した。

 

 

ポーチのなかみは|20代ミュージカルオタクが買って良かったと思うコスメ9選

ポーチのなかみは|20代ミュージカルオタクが買って良かったと思うコスメ9

 

とにかくブスに生まれてしまったからには化粧をせねばならぬと、漠然とやっていた化粧にハマってしまいプチプラからデパコスまでとにかく集め回った。

毎月、宝塚大劇場のSS席に座って幕の内弁当を食べてもう1公演S席で芝居を観られるくらいのお金を投資していたというのに、似合う似合わないで色選びに失敗する不甲斐ない買い物をした時もあった。

そこでパーソナルカラー診断(ブルベ夏でした)にも行って似合う色を知った後に買い揃えたコスメを9品紹介してみようと思います。

 

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①ポール&ジョー|ラトゥーエクラファンデーションプライマー01

とにかく顔の赤みが消えて化粧保ちが良くなるので好き。だいたいのファンデーションと相性良く使えるのでファンデを乾燥しにくいタイプ(今はルナソルのクリームファンデ使ってる)にして乾燥崩れを予防してます。容器のデザインが可愛いという理由だけで購入したのにアタリだったのだからツイてる!

 

②Kanebo|ミラノコレクション

綺麗に仕上がる・時間が経っても崩れない。

お高いけれど1年もつ。

三拍子揃っていたら乗り換える気にもならなくてかれこれ4年ほどリピしているミラコレ。

これからも長いお付き合いになる予感。

2年に1回、持ち運びできる薄いサイズのケースで出るから残しておくと次の年まで使えて便利。

たまに劇場のトイレとかででっかいケースで化粧直ししている奥様に是非教えてあげたい。

 

イヴ・サンローラン|ラディアントタッチ #2

この間やーっと購入!今までポール&ジョーのペンタイプのコンシーラーを使っていたのだけど、これはハイライトにもコンシーラーにもなって良い。

目の下に伸ばすとツヤっとして隈が目立たなくなりました。

冬場の乾燥する劇場で、取り返しがつかないくらい肌がカサカサ粉を吹いてる時でも綺麗に化粧が直る。ホントに救世主だ。

24年間ずっと売れ続けているだけのことはある。

 

シュウウエムラ|ハードフォーミュラ #03

意外と薄付きだから失敗しても目立たない!

ラデュレのパウダーも良かったのだけどやっぱりペンシルはササっと描けて時短にもなる。

黒髪だからずっと黒かダークブラウンのアイブロウ使っていたんだけど、目の色が深いブラウンなので「赤茶のアイブロウに変えたら?」とパーソナルカラー診断で言われて半信半疑で変えたらこちらの方が顔に馴染んだ…目の色ってアイメイクする上で大事な要素なんですね。

 

⑤NARS|デュオアイシャドー3057

キラッとしたゴールドブラウンとモーヴ(灰色がかった紫)系のパレット。

ブルベ夏の方に使いやすい。ゴールドブラウンが上手くモーヴを肌に馴染む色に近づけてくれて仕事行く時も使える!指でゴールドブラウンをさーっと塗ってからモーヴを好きな濃さで塗る(ブラシ使うのがおすすめ)のが好きな使い方。

NARSって化粧の濃いBAさんばかりだからオタク的に近寄り難いブランドなんだけど、アイシャドウパレットは意外と使いやすい色が揃っているので必見かと!

 

⑥エテュセ|ラッシュバージョンアップ

言わずもがなのヒット商品。

ホントにカールが長持ちする。

後に塗るマスカラが目の下に色落ちしない。

プチプラなのにすごく優秀で「もっとお金出さなくて良いの?ほんまに?」ってなります。

 

⑦ヴィセ|リップ&チーク クリーム #6

ファンデー → クリームチーク → フェイスパウダーの順に使ってます。

チークのもちが悪い人は『仕込みチーク』的な役割で使うと夕方までチークの色が長持ちしますよ!

わたしはブルベなので6番の青みピンクを愛用してます。1番自分の血の色に近い色を付けるのが自然な血色に見えるコツなのかも。

 

⑧レ・メルヴェイユーズ・ラデュレ|プレストチークカラー #01

ヴィセのクリームチークだけだと物足りないときにフェイスパウダー塗った後にふわっと入れる。

ラメが入っていないラベンダーカラーのパウダーチークなので血色良く見えて有難い。

化粧直しに持ち歩いてるんだけど容器が可愛くてとにかく気分が上がる!

 

⑨サンローラン|ヴォリュプテ ティント インオイル #8

塗り直しても塗り直しても口紅が落ちる。

でも塗り直しが面倒臭いズボラ人間なので何か良いものは無いかと探し歩いて見つけたのがコレ。

ティントタイプで唇にほんのり色が残るからグロスのツヤ感が落ちても色は落ちてない!あとオイルで出来てるから乾燥しない!

観劇オタクなので冬場の乾燥にも、お見送りや客席降りがあるのに化粧直し忘れたときにも便利!

マンゴーみたいなフレッシュな香りがしてお気に入り。

 

とりあえず、観劇の合間に人間生活を送っているような人間なので同じ『観劇趣味』のあるオタクに是非おすすめしたいものを中心に選んでみました。

乾燥肌でこの時季は常に、暖房の効き過ぎたメルパルク大阪の2階席との戦いなのでテニミュを1日2回観る日は大変だ。

他にわたしの知らない乾燥しないコスメをご存知の方は是非教えていただきたいくらい!

 

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺

⚫︎1/15(日)17:00公演
メルパルク大阪

 

やっと観て来ました!
噂の超大作・刀ステ!
刀ミュが割とあっさりした内容(アイドルステージのが気合い入ってない?)なのでストレートプレイの方はどんな感じかと楽しみにしていました。

 

出演者、演出家は勿論、劇場に足を踏み入れて見れば宝塚歌劇のセットと言われても頷けるくらいには立派な舞台美術が施されていて(言い過ぎ?)期待も充分!
両脇を支える様に伸びる柱、大階段は左右に動いて2つの別の階段としての役割も果たす金箔貼り、中央上部には映像を映すスクリーン。斬新さは無いにしても良く出来たセットだよ。人数の割に舞台が狭いから階段で縦の空間も使って見せられるのが良いね。

タイトルの通り『本能寺の変』の歴史改変を目論む時間遡行軍ととある本丸の刀剣男士達が戦う。
初演をDVDで流し見しただけのわたしには初演と今作の比較なんてできやしないけれど、初演を熟知してる皆さんにしたらだいぶ充実した再演らしい。
羨ましい限りです。

 

元織田家の刀で本丸の新入り不動行光(椎名鯛造)、同じく織田信長の元にあったへし切長谷部(和田雅成)、薬研藤四郎(北村諒)、宗三左文字(佐々木喜英)主にこの四者の過去や信長への思いによって揺れる心と相対する者との決別が物語の筋であったように思う。

 

織田信長』という人物が善人であるのか、悪人であるのか人好きする人物なのか歴史が語るような魔王なのか、そんなことは我々にもわからない。
考え方は人それぞれである。歴史に善悪や正誤などというものはハナからない。そんな中で信長が好きだと言う行光、信長を忌み嫌う長谷部、自身を信長に囚われたままだと悲観する宗三、様々な思いが見る側にも『織田信長とは何者か』と考えさせる隙を作ってくれる。

 

本能寺の変織田信長も、ドラマや舞台で語り尽くされた話だけれど、刀剣男士たちの過去と共に新たな物語としてわたしたちの前に現れた。
歴史モノのコンテンツの新たな見方としても刀剣乱舞の舞台は楽しめるし、舞台化して正解だったのかもしれない。

 

行光のように、或いは刀ミュの大和守安定のように、元の主人が好きで願わくばその人の運命を変えたいと思う刀剣にとっては、人の体を得て歴史の改変を阻止することはいささか酷なことの様。
元の主人を助ける力があるのに、指を咥えて見ていることしかできない歯がゆさをこの両者は痛い程我々に伝えて来た。史実に刀剣男士たちを紛れ込ませたこの作品の面白みであり苦しみでもある。
その歯がゆい気持ちを乗り越えて、時間遡行軍と戦うことを決意する彼らの姿は清々しいまでだけれど、私的にはいつか自身の気持ちを全うし、歴史を改変する、ダークサイドな男士が出てくれても面白いと思うのだけど、それじゃ話がややこしくなるな。

 

森蘭丸役の丸目聖人さんのお芝居が特に良かったなぁ。最後の方だけど我を失いながらも信長を守ろうと行光と縺れ合うシーンは泣いてしまった。

 

三日月宗近・鈴木拡樹さん。
こんなに沢山2.5次元舞台に出てらっしゃるのにご縁が無くて今回やっと生でお芝居を観ることができました!三日月らしいおじいちゃん言葉やおっとりした姿、殺陣を演らせたら誰よりも美しく魅せる所作を知っている。表情までもをシーンによって別人のようにガラリと変えてしまうすごい役者だ。
特に日舞の舞のように摺り足で登場するところは佇まいが良い。劇場の視線を全て縫い付けるような引力があった。

 

山姥切国広・荒巻慶彦くん。
久々の荒巻くん!相変わらず殺陣が上手いこと上手いこと…!今回は出番も多い主役級の役所でしたね。
動作の静かなキャラクターなだけに殺陣のシーンになるとダイナミックな動きが光る。

 

宗三左文字・佐々木喜英さん。
なんだろ…宝塚で言う「男役に混じって殺陣をするトップ娘役(っょぃ)」って感じでした。
この方も殺陣がお上手なんだけど、とくに長髪や重たい装飾の付いた衣装の捌き方の美しさに注目したい。本当に魅せる人だなぁ。
只、長谷部を殴った時のSEが「ドゴォッ」ってえらい勢いの良い音だったから中身はゴリラなのかもしれない。

 

一期一振・廣瀬大介くん。
テニミュ振りの廣瀬くん。
薄ミュでも刀を振り回してたから魅せ方はさすが。
普段の温厚ないち兄と、戦闘になると狂気にも似た苛烈さで敵に挑む一期、切り替えの上手さにはゾッとした。二重人格を疑う程の様変わりなのだから。

 

他にも良い役者揃いで満足。
ある程度場数を踏んだ2.5次元出身の役者が揃うとこんな充実感のある作品に仕上がるんだなぁ。


とりあえず東啓介くん!トンちゃん!5年以内に是非帝国劇場でお会いしましょう!!!

 

2017年始まって早々に良い2.5次元舞台に巡り会えて嬉しい限りです。

 

ミュージカル『黒執事』〜NOAH'S ARK CIRCUS〜

ミュージカル『黒執事』〜NOAH'S ARK CIRCUS〜

⚫︎12/10(土)12:00 17:00
あましんアルカイックホール

 

久々の観劇は待ちに待った『黒執事』!
昨年観た『地に燃えるリコリス』が2015年で特に良かったと記憶している観劇体験だったので今回も楽しみにしてました。

劇場内に足を踏み入れた瞬間に流れるワルツ、舞台上のセットは柱の骨組みが見え、暗幕で空間を仕切るように垂れ下がる。何をとっても我々をサーカス小屋に引き込む魅力に溢れていて始まる前から既にドキドキしていた。

開演5分前の客席がまだ少し騒ついている中に、ピエロ姿のアバハン(高木俊・寺山武志)が登場する。
もう彼等の『空気を自分たちのモノにする』力に関しては何も言うまい、客席を練り歩き軽快なトークとピエロさながらの芸でわたしたちはいつの間にか本当にサーカス小屋の中の観客になっていた。
(ホントこの2人は10年くらいコンビ組んでんのかな?ってくらい面白い)

 

シエル坊ちゃんが鳥籠の中に囚われ、セバスチャンと契約するお決まりのシーンがなかったらホントに序盤から浮かれていたと思うよ。
新しいシエル坊ちゃん(内川蓮生)セリフもはっきり聞き取りやすいし歌も悪くない。デビューが黒執事で良かったの?レミゼのガブローシュとか行けたんじゃ…?と感心。坊ちゃんは難しいセリフが多いから大変だったろうなぁ。たまに舌が縺れると「がんばれ!」と手に汗握ってしまう。
しかし美少年だ。あと少し大きくなったら事務所のハンサム達が年末に集うフェスティバルに是非来て欲しい。

 

セバスチャン(古川雄大)に関してはもう…立ち姿から2次元みたい。歌い出したら脳が溶けそうなくらい美声。スタイルが良いから燕尾服が良く似合う。相変わらず美しいお顔が悪魔らしく怪しげな微笑みで彩られている。彼の欠点ってなんなんだろう?強いて言うなら顔が小さ過ぎるところ?
とにかく小さな坊ちゃんの執事として一歩下がって付き従い、時には捕食者のような瞳で怪しげに近づく。坊ちゃんの我が儘に冷ややかな表情で悪態をつくあたり「この人ホントに悪魔なんだよなぁ」と核を忘れさせない辺りが見事だ。
やっぱり、踊ってるときが一番かっこいいんだけどね!

 

今回の主役はこの主従ではなくて、三浦涼介演じるサーカス団の兄貴分・ジョーカーであったように思う。
飄々とした態度、年下の弟たちやサーカスに潜り込んだシエルを労わる優しさ、街のこどもを攫う悪人の顔、色々な顔を持った人なんだけど歌声にだけは悲しみや葛藤が浮かんでいて、つくづくピエロらしい。
本当の自分を見せない道化としてのジョーカーを全うしていた。
ここまでの徹底したお芝居があったから、孤児院に残してきた弟たちの将来を願って死んでいくシーンはなかなか堪えた。だって会場のお客さんのほとんどはもう孤児院なんてとうに無くなってることを知ってるわけだし(原作既読)、サーカスの仲間たちもファントムハイヴ家の使用人に返り討ちに遭ってこの世にいないことを知ってるわけだから泣くしかないシーンだよね。
最後まで運命に見放されて犬死していく人々の希望さえとうの昔に潰えていたのだから虚しいったらない。

 

華々しく電飾の光を飾って満面の笑顔で出てきたサーカスのみんなだけど、原作既読のお客さんからしたら楽しい半分みんな死んじゃうんだなって悲壮感半分だよ。
エアリアルシルクも素敵だったけど、ダガー(三津谷亮)の一輪車がとにかく凄かった。みつやさんの世界1に輝いた一輪車の技がこんな場面で生かされるなんて…。

 

個人的にはウィリアム(輝馬)の歌が上手くて良かったなぁと。だってサーカスで空中ブランコしながら古川雄大さんと歌うシーンがあるんですから、下手な人だったら全然惹きつけられるシーンにならないじゃない!テニミュに出ていたときも歌が上手かったけど古川くんに引けを取らないくらいまで役者として成長した輝馬さんを見られて嬉しい。
いつか東宝ミュージカルでお待ち申し上げております!

 

サーカス団の怪しげな人々やジョーカーというピエロの裏の顔、黒幕ケルヴィン男爵に運命を弄ばれるこどもたち。カーテンを引いて物語の奥へ奥へと進んでいくような場面の切り替わりやそれを誘うように多くを語らず我々を導くセバスチャン、我々と一緒に物語の謎に翻弄されるシエル坊ちゃん、よく出来た脚本だったなぁ。
『地に燃えるリコリス』よりは歌えるキャストが少なくて物足りなさはあったけれど、華やかさや物語の出来で言ったら文句ない見応えでした。

 

 

ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』

『スカーレット・ピンパーネル』

⚫︎11/6(日)12:30 17:30
梅田芸術劇場メインホール

 

チケットをご用意していただけたので2公演観てきました!
ソワレはピンパーネル団のトークショーもあって笑った〜。

 

過去に宝塚歌劇団星組安蘭けいさんが主人公のパーシーを演じた舞台。
わたしが高校生くらいの時だった気がする。
安蘭さんも素敵な女優さんになっていて時の流れを感じたな〜話の内容もさっぱり忘れていたし(笑)

 

1789年フランス革命から、王侯貴族を打倒した市民たちが罪なき人々の命を奪う恐怖政治が敷かれるヒステリの街パリとイギリスが舞台。
スカーレットピンパーネルはそんなギロチンの魔の手からフランスの人々を救う姿なきヒーローとして描かれている。

 

パリの舞台女優マルグリット・サン・ジュスト(安蘭けい)がイギリス貴族パーシー・ブレイクニー(石丸幹二)と結婚してイギリスに渡るところから話が始まるのだけど、マルグリットはフランスを出る際に昔の恋人で公安委員のショーブラン(石井一孝)に脅され、パーシーの友人で隠れ家に身を隠すフランス貴族の居場所を漏らしてしまう。そのことを知ったパーシーのマルグリットへの疑心。まだマルグリットを愛している程で彼女をスカーレットピンパーネル捕縛のスパイに利用するショーブラン。3人の愛憎劇も見応えがある。

 

スカピンの中で『ひとかけらの勇気』という曲がとても好き。恐怖政治で毎日のように無実の血が流れるフランスを憂い人々を救うことを決めるパーシーの想いが伝わる名曲。東宝版では『悲惨な世界のために』という名前に変わって歌詞もちょっと違うのかな?石丸さんの歌声からは憂いよりも悲しみと怒り、人々を救う為の誓いの曲のようなイメージを受けた。石丸さんもとても歌が上手い方だから歌い上げる曲に強いな〜素敵だった!
安蘭けいさんも歌詞は違うのだけど劇中でこの曲歌われて嬉しかった〜。宝塚上演の際に付け足された曲だからまさに安蘭さんの為の曲って感じだったからね。
役は変わっても安蘭さんが歌うとピタッと嵌る。

 

今回、若手俳優のオタク界隈でも噂の渦中にあったピンパーネル団の若手起用!
矢崎広くんはマルグリットの弟・アルマン役で安蘭さんと『あなたは我が家』を歌ったりなかなか目立ってたな〜。歌い方が少し変わったのか良く響く深みのある歌声に好印象。
原卓也くんも、ダンスが得意な人だから冒頭のパリの劇場のシーンにも出ていてびっくりした〜彼ファーレイ役しかやらないと思っていたから!
個人的に『男のたしなみ』のシーンで着たトンチキな衣装は彼と石丸さんだけありえないくらい似合ってしまっていたなと(笑)
なんで似合うんだよ…似合ってしまったらトンチキに見えないだろ…(爆笑)と1人心の中で笑いを堪えたよ。
パーシーの副官デュハーストの上口耕平くんは良く通る声〜セリフも聞き取りやすいしこういう役者さん好きだなって思っていたら全然ソロで歌う曲がなくて歌声が聴けなかったのが残念。
まさか東宝の舞台でお会いすることになろうとは…ペダステ組の太田基裕くんと廣瀬智紀くん。
もっくんってこんな芝居ができる役者さんだったかな?ってちょっとびっくりしたよ。結婚式の後日パーシーをクリケットに誘いに来る場面の暗い空気をパーンと吹き飛ばすような雰囲気。もっくんと駒木根さんのふわっと明るいお芝居が凄く良かった。
えーまたもっくんのお芝居観に行きたいなーって純粋に思ったよ。
トークショーで相変わらずのゆるっとポンコツ振りを発揮して客席のおばさま方にも「おかしな子ね〜」と笑われて(笑わせて?)いるちゃんともさん〜〜〜〜舞台の上でもゆるっとふわっとしていてどこからがハルでどこからが廣瀬智紀という人なのか境目が曖昧だったぞ〜!ミュージカルははじめてだったんだね。顔もスタイルも良いちゃんともさん、お歌はどうなんだろう。ピンパーネル団ホントにソロが全然ないからその辺りちゃんと知ることができなくて残念。フラワーガール可愛かったよ〜〜(笑)
相葉っちさん…ごめんなさい…。
目が2つじゃ足りなくて2公演とも相葉っちさんを見ていなかったことに今気がつきました。
先に東京で観たヅカヲタ友達に「ピンパーネル団のみなさん全体的に声量がないから『炎のなかへ』のリプライズがちょっと弱かった〜」と不評だった。でもわたしは全然そんなこと思わなかったな。
フランスの公安がスカーレットピンパーネルを捕縛しようとフランス全土に配置される中、パーシーが八方ふさがりでここから先は自分1人で行動するから皆はイギリスに帰れと『ここから先は』を歌う。パーシー1人残して引き下がるようなことはできたいとばかりに『炎のなかへ』を口ずさむ仲間たち。良いシーンだったなぁ。この喜劇の中で一番泣けた。静寂と緊張と不安に包まれるシーンだから弱いと言われても仕方ないのか?

 

ラストまでテンポ良く進むから飽きない。
(薔薇園のシーンはちょっと長くて眠かったけどね)
ショーブラン率いる公安とピンパーネル団が戦う最後のシーンは安蘭さんファンへのサービスシーンって感じなのかな〜?石丸さん石井さんより安蘭さんが強そう(というかっょい…)。ファーレイからサーベル取り上げて、敵からもう一本奪って二刀流で戦うヒロイン(笑)
最後にピンパーネル団に捕まってスカーレットピンパーネルの身がわりにされるショーブランの扱いも喜劇らしくて良かったね。
ショーブランってボケるんだ…シリアスキャラの筈がちょいちょい面白いこと言うから堪らない(笑)

 

ショーブランと言えば『マダム・ギロチン』に『ハヤブサのように』などヅカヲタが好きなナンバーを沢山歌っているのもこの役。石井さんの低い歌声が足元から響いてくるから怖かった。ギロチンのシーンとにかく怖いのよ。
主演の3人もロベスピエール(wキャストでした!)も歌が上手いから歌い上げる曲が多いスカピンには本当に嬉しいキャスティングだった。耳が幸せ!

 

今年一番笑った舞台だと思う。
曲も好きだったしシリアスと笑いのバランスが良いから観ていて飽きない。再演はないかもしれないけれどもしあるなら若手俳優のオタクにも是非見て欲しい。推しがいるいないに関わらず。「わたしの推しにも出て欲しい〜」って思える素敵な舞台だよ。

 

ヅカヲタは来年、紅ゆずるさん率いる星組が再演してくれますね!星組の新トップコンビも上級生も歌に不安がある方が多いけれどコメディセンスのある組だからわたしは意外と楽しみにしてる。
礼真琴くんのショーブランが特に楽しみ!