幕間

140文字で語りきれなかったあれこれ

娘役・実咲凜音に捧ぐ

実咲凜音さんを初めて目にしたのは宙組銀河英雄伝説』のDVDだった。
当時のわたしはテニミュに心も時間も全財産も捧げたテニミュオタだったので(今もか)知人が貸してくれる宝塚のDVDもNHNの録画放送も、テニミュが公演していない期間の暇つぶし程度にしか見ていなかった。
2014年11月にテニミュ2ndシーズンが幕を下ろし、全ての情熱を燃やし切っていた頃に出会ったのがこの銀英伝だった。
美しすぎるラインハルトの凰稀かなめさまは、当時もう退団なさっていて非常に残念だったことをはっきりと覚えているが、何よりこの美しい歌声のトップ娘役・実咲凜音さんが夏には『アイーダ』を演じるのだというではないか。しかも歌の多いお芝居だとか。
喜び勇んで自らチケットの発売期間を確認し、とにかく宝塚歌劇というものをちゃんと生で体験しておこうと、その頃公演していた月組『1789』を観に電車で1時間半かかる宝塚大劇場まで足を運んだ。
それがわたしの人生に『宝塚歌劇』という超巨大コンテンツが食い込んでくる起因だったように思う。

話はが少しずれてしまった。
『王家に捧ぐ歌』の公演中は見ているのが心配になるくらい痩せてしまったみりおん。
今までにないくらい感情の起伏が声に乗った歌と、知らなかったみりおんの低音の力強さと美しさ。この作品は娘役・実咲凜音にとってというより、一人の舞台人としてみりおんを大きくした作品なのではないかなぁと、いまでも時々思う。

その全てが『宙組エリザベート』に昇華されたんだって確信があるから、やっぱり宙組で『王家』を上演したのは大正解なんだよ。

退団公演は現代劇でパワフルな女社長の役、みりおんらしい明るさと元気な姿が素敵でした。
最後の日までどうか、娘役・実咲凜音の全力を見せて欲しい。
そしていつかまた、できれば帝国劇場でお会いしましょう。