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幕間

140文字で語りきれなかったあれこれ

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺

2.5D舞台

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺

⚫︎1/15(日)17:00公演
メルパルク大阪

 

やっと観て来ました!
噂の超大作・刀ステ!
刀ミュが割とあっさりした内容(アイドルステージのが気合い入ってない?)なのでストレートプレイの方はどんな感じかと楽しみにしていました。

 

出演者、演出家は勿論、劇場に足を踏み入れて見れば宝塚歌劇のセットと言われても頷けるくらいには立派な舞台美術が施されていて(言い過ぎ?)期待も充分!
両脇を支える様に伸びる柱、大階段は左右に動いて2つの別の階段としての役割も果たす金箔貼り、中央上部には映像を映すスクリーン。斬新さは無いにしても良く出来たセットだよ。人数の割に舞台が狭いから階段で縦の空間も使って見せられるのが良いね。

タイトルの通り『本能寺の変』の歴史改変を目論む時間遡行軍ととある本丸の刀剣男士達が戦う。
初演をDVDで流し見しただけのわたしには初演と今作の比較なんてできやしないけれど、初演を熟知してる皆さんにしたらだいぶ充実した再演らしい。
羨ましい限りです。

 

元織田家の刀で本丸の新入り不動行光(椎名鯛造)、同じく織田信長の元にあったへし切長谷部(和田雅成)、薬研藤四郎(北村諒)、宗三左文字(佐々木喜英)主にこの四者の過去や信長への思いによって揺れる心と相対する者との決別が物語の筋であったように思う。

 

織田信長』という人物が善人であるのか、悪人であるのか人好きする人物なのか歴史が語るような魔王なのか、そんなことは我々にもわからない。
考え方は人それぞれである。歴史に善悪や正誤などというものはハナからない。そんな中で信長が好きだと言う行光、信長を忌み嫌う長谷部、自身を信長に囚われたままだと悲観する宗三、様々な思いが見る側にも『織田信長とは何者か』と考えさせる隙を作ってくれる。

 

本能寺の変織田信長も、ドラマや舞台で語り尽くされた話だけれど、刀剣男士たちの過去と共に新たな物語としてわたしたちの前に現れた。
歴史モノのコンテンツの新たな見方としても刀剣乱舞の舞台は楽しめるし、舞台化して正解だったのかもしれない。

 

行光のように、或いは刀ミュの大和守安定のように、元の主人が好きで願わくばその人の運命を変えたいと思う刀剣にとっては、人の体を得て歴史の改変を阻止することはいささか酷なことの様。
元の主人を助ける力があるのに、指を咥えて見ていることしかできない歯がゆさをこの両者は痛い程我々に伝えて来た。史実に刀剣男士たちを紛れ込ませたこの作品の面白みであり苦しみでもある。
その歯がゆい気持ちを乗り越えて、時間遡行軍と戦うことを決意する彼らの姿は清々しいまでだけれど、私的にはいつか自身の気持ちを全うし、歴史を改変する、ダークサイドな男士が出てくれても面白いと思うのだけど、それじゃ話がややこしくなるな。

 

森蘭丸役の丸目聖人さんのお芝居が特に良かったなぁ。最後の方だけど我を失いながらも信長を守ろうと行光と縺れ合うシーンは泣いてしまった。

 

三日月宗近・鈴木拡樹さん。
こんなに沢山2.5次元舞台に出てらっしゃるのにご縁が無くて今回やっと生でお芝居を観ることができました!三日月らしいおじいちゃん言葉やおっとりした姿、殺陣を演らせたら誰よりも美しく魅せる所作を知っている。表情までもをシーンによって別人のようにガラリと変えてしまうすごい役者だ。
特に日舞の舞のように摺り足で登場するところは佇まいが良い。劇場の視線を全て縫い付けるような引力があった。

 

山姥切国広・荒巻慶彦くん。
久々の荒巻くん!相変わらず殺陣が上手いこと上手いこと…!今回は出番も多い主役級の役所でしたね。
動作の静かなキャラクターなだけに殺陣のシーンになるとダイナミックな動きが光る。

 

宗三左文字・佐々木喜英さん。
なんだろ…宝塚で言う「男役に混じって殺陣をするトップ娘役(っょぃ)」って感じでした。
この方も殺陣がお上手なんだけど、とくに長髪や重たい装飾の付いた衣装の捌き方の美しさに注目したい。本当に魅せる人だなぁ。
只、長谷部を殴った時のSEが「ドゴォッ」ってえらい勢いの良い音だったから中身はゴリラなのかもしれない。

 

一期一振・廣瀬大介くん。
テニミュ振りの廣瀬くん。
薄ミュでも刀を振り回してたから魅せ方はさすが。
普段の温厚ないち兄と、戦闘になると狂気にも似た苛烈さで敵に挑む一期、切り替えの上手さにはゾッとした。二重人格を疑う程の様変わりなのだから。

 

他にも良い役者揃いで満足。
ある程度場数を踏んだ2.5次元出身の役者が揃うとこんな充実感のある作品に仕上がるんだなぁ。


とりあえず東啓介くん!トンちゃん!5年以内に是非帝国劇場でお会いしましょう!!!

 

2017年始まって早々に良い2.5次元舞台に巡り会えて嬉しい限りです。