幕間

140文字で語りきれなかったあれこれ

ミュージカル『刀剣乱舞 三百年の子守唄』

ミュージカル

『刀剣乱舞 三百年の子守唄』

 

⚫︎4/2 13:00
梅田芸術劇場メインホール

刀ミュ3作目は『大河ドラマ』なんですって!
荒木宏文さんやら太田基裕さんやら、もはやこんな新進気鋭のコンテンツには出てくださらなそうなメンバーを揃えて来たりして、いったい刀ミュはどこへ向かうのか。
とにかく観て来ました!

徳川家康の一生に寄り添うという筋書きのもと、親も生き残るべき家臣も殺された家康を刀剣男士たちが育て、家臣を偽って見守っていく。
「また貴方に幸運を届けることができるんですね」とキラキラした笑顔で愛おしそうに、まだ赤ちゃんの家康を抱き上げる物吉くん(横田龍儀)が印象的だった。
普通、今までの刀剣男士たちって元の主との接触に複雑な心境を抱いていた筈なのに、物吉くんは家康との二度目の人生を喜んでいて違和感あったのだけど、よくよく考えたら親も家臣も殺されて独りになった赤ちゃんに「また貴方に幸運を届けることができる」って…なかなか狂ってないか?
爽やかサイコパスだなぁ。

 

刀剣乱舞ではにっかりさん(荒木宏文)が好きなので『子どもの生命や行動に興味を見出す』あの不器用な仕草はよかったなぁ。立ち姿やセリフのない時の立ち居振る舞いでさえ青江らしいんだから、荒やんさんが演じてくれて本当によかった。

 

あの…家康が息子の生き方を否定したり、息子のように育てた人間を手にかけなきゃいけないって事態になったり、辛い話の中でたびたび空気をぶっ壊してくる村正(太田基裕)の「脱ぎまショウか?」ってバカみたいなエロネタがこんなに癒しになるって誰が想像した?
わたしは思ってもみませんでした。
ただ、もっくんが空気感をガラッと変える、でも芝居全体の流れを絶対に壊さない雰囲気のある芝居をする人だってことは『スカピン』を観に行った時に確信したので、この人もまた、なるべくして刀ミュのキャストに選ばれた人なんだなって、これからの刀ミュに期待が持てたよ。
ずーっとイケメン若手俳優と2部のアイドルステージ、なにより原作人気に頼り切るつもりなのかなって思っていたから。

刀ミュが続いていく中で、たぶんターニングポイントになる作品だった。
トーリーもお芝居も今までの2作が合わなかったと思う人には是非もう一度、観て欲しい。
刀剣男士と歴史上の偉人が深く関わっていくことで、こんなに面白い歴史モノのお芝居になるんだってことを証明してくれた。
そんな作品だったように思う。